登米町森林組合

森林と人のほどよい関係を目指して

木を伐り森林を育てる

針葉樹の場合

  • 主伐(針葉樹が主伐できるようになるまでの期間はおよそ60年)
    1. 伐採:木を伐り倒し収穫します。
    2. 採材:倒した木を用途毎に必要な長さに伐ります。
    3. 運搬:必要な長さに伐った木を用途毎に加工工場へ運びます。
  • 地ごしらえ・植林(期間はおよそ1年)
    1. 地ごしらえ:地面を整えます。
    2. 植林:苗木を植えます。
  • 下草刈り(期間はおよそ7年)

    1年に2回程度の頻度で雑草を刈り払う作業です。

  • ツル伐り・除伐(期間はおよそ7年)

    間伐の時期まで低木やツル植物を刈る作業です。

  • 1回目の間伐(およそ15年目〜)

    成長した木を間引く作業です。

  • 2回目の間伐(およそ30年目〜)
  • 主伐(地ごしらえ・植林からおよそ60年後)

広葉樹の場合

  • 主伐(広葉樹が主伐できるようになるまでの期間はおよそ100〜200年)
    1. 伐採:木を伐り倒し収穫します。
    2. 採材:倒した木を用途毎に必要な長さに伐ります。
    3. 運搬:必要な長さに伐った木を用途毎に加工工場へ運びます。
  • 天然更新

    自然の生態系に任せます。

  • 主伐(天然更新によっておよそ100〜200年後)

ほどよい関係を目指して

100年前の林業の常識は現在では通用しません。現在は森林の土中ネットワークが分かってきたり、温暖化で森林づくりの環境が変わってきたり、需要が変わっています。時代により様々なことが変わります。変わらないのは100年前の常識がそのまま現在でも通用すると思っている林業だけです。

一番大きな変化は温暖化です。通常間伐をして森林に光が入れば森は元気になると言われますが、温暖化の影響で地面が熱くなり過ぎて乾燥し、樹木が十分な水分を得られなくなる可能性があります。そして近年解明された樹々たちの土中ネットワークにより、森林づくりを見直す必要があることも分かってきました。

林業は、売れる木(樹齢が長い、太い木)を優先に伐ります。しかしその木は、土中ネットワークの司令塔として森林の様々な問題をコントロールしているのです。その木を伐ってしまうと司令塔がいなくなり、その森林は弱体化していきます。もちろんスギの植林地のような単一樹種の森林では、土中ネットワークも形成されず複雑な生態系も形成されず弱い森が人間の手によって管理され、栽培のための植林地になります。では、どうしたらいいのか?明快な答えは分かりません。

しかし、様々なことが変わってることは分かるのでそれに気づき、森林も人間と同じ生命体だと認識して、森林環境と経済活動のほどよい関係を模索する必要があります。

謙虚な気持ちで。

森林組合について

林業をめぐる状況は今、大きな変革期にあります。戦後の拡大造林政策により植えられた木々が収穫期を向かえた中でも外材の輸入量は大きく、木材自給率は3割程度にとどまっています。一方で、木質バイオマス発電やCLT(直交集成板)を用いた大規模施設の木造化等が注目され、地域材への期待が高まりつつあります。

林業は長い期間を必要とする産業です。私達が今日森林資源を活用できるのも、先人たちが植林し手入れをしてきてくれたおかげです。先人たちが託してくれた森林資源を有効に活用して、さらに次代に引き継ぐために、登米町森林組合は昭和27年の設立以来、森林の適切な保全・管理を行なう一方で、幅広い地域循環型事業の推進に取り組んでいます。

伐った木を使う

  • (2〜3ヶ月)
    1. 伐採:木を伐り倒し収穫します。
    2. 採材:倒した木を用途毎に必要な長さに伐ります。
    3. 運搬:必要な長さに伐った木を用途毎に加工工場へ運びます。
  • 製材所(1ヶ月)
    1. 木取り:必要な寸法(角)に適した丸太(円)を選びます。
    2. 製材:選んだ丸太(円)を製材機で角材や板に形造ります。
  • 加工工場(6〜12ヶ月)
    1. 天然乾燥:製材した材料を太陽と風にあてて水分と木の癖を出します。
    2. 人工乾燥:出荷する前に木の水分を基準に合わせるため人工的に熱を加えます。
    3. 仕上げモルダー:乾燥中の曲がりや反りを整えて目的の寸法に木を削ります。
  • 家具製作工場(1ヶ月)
    1. 木取り:角材や板から家具で必要な部品を取ります。
    2. 加工:パーツごとに寸法を整え、巾を接着したり仕口加工をします。
    3. 組立て:加工したパーツを組み合わせます。
    4. 塗装:木材保護や汚れ防止のための塗料を塗ります。
  • 家具屋
    1. 仕入れ:自分が売りたいと思った家具をメーカーから買い付けます。
    2. 販売促進:家具を売るために宣伝をします。
    3. 説明:お客さまへ家具の特徴や魅力を説明します。
    4. 販売後の対応:家具を売った後のサポートをします。

kitakamiの家具

小泉誠がデザインする家具のシリーズ。アンダイの鹿野勝則がプロデュース。登米町森林組合がメーカーとなり新しい家具を作ることになりました。それが当地の名を取った『kitakami』シリーズです。木部は秋田県湯沢市の秋田木工株式会社に、クッションは宮城県大崎市のグランコーポレーションに製作をお願いしています。